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「イスラム国(IS)」戦闘員を欧米に強制送還

2020/04/20

先月、トルコは国内の元イスラム国(IS)の戦闘員やその家族を ヨーロッパなど出身国に送り返すと発表、すでに15名はドイツやオランダに強制送還された。

バグダーディ容疑者は約ひと月前にアメリカの特殊部隊によって殺害されたが、現在も ISの組織は20カ国以上で存在し、その国でのテロなどが脅威となっている。

「その国出身なのだから、その国が引き受けるべき」、と同情なさる方、ちょっと待って。😉

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シリア北東部のクルド人実効支配地域にあるアルホル避難民キャンプで、イスラム国(IS)の最後の拠点から逃げ出した後に収容されたフランス人女性(2019年2月17日撮影、資料写真)。(c)AFP

2014年、イスラム国(IS)が台頭してから、世界中から戦闘員が加わる経路となったトルコに、欧米がどれほど国境を閉鎖するよう要請しても、トルコは国境封鎖しなかった。I Sにはトルコ経由で物資も流入した。

その裏で、トルコの大統領の家族がイスラム国から石油などを買っていたのは、ロシアや他の国が映像などを使って報告している。

数万人を超える外国からの戦闘員がシリアに流入し、彼らは訓練を受けた後、祖国に帰り、そこでテロを起こす事件が相次いだ。

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23日、シリア・タルトスで、爆発現場を調べる関係者(国営シリア・アラブ通信提供・AP=共同)

このため、ヨーロッパ各国はずっと「イスラム国戦闘員の玄関口」であり「物資補給の輸送路」であったトルコを非難してきた。

今回送り返される戦闘員の中には、先日トルコが多くの国から非難を受けつつ侵攻を行ったシリアで、クルド人が管理していた「イスラム国( IS )」戦闘員の収容施設」から逃亡した数百人も含まれる見通し。

アメリカは「シリアに侵攻するなら、その地で拘束された ISの戦闘員はトルコの責任だ」とエルドアン大統領に責任を持つよう要求していた。

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シリア東部デリゾール県のオマル油田近くで、クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」によって拘束され、トラックの荷台に乗せられたイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員とされる男ら(2019年1月30日撮影)。(c)Delil souleiman / AFP

そのトルコが、イスラム国戦闘員をヨーロッパ各国に送り返すと言うのだ。
当然、各国にはありがたくない話だ。

「見返りの要求」があることは目に見えている。

エルドアン大統領は、キプロスの EEZ内で天然ガスを掘削しようとしているが、現在、トルコはこの採掘権をめぐりキプロス、ギリシャ、エジプトとも揉めている。

キプロスやギリシャの権利を認める EUはこれを認めず、トルコが強行するなら経済制裁を行うとしている。

IS戦闘員の強制送還には、これに対する牽制の意味がある。

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2014年、シリア北部で行軍するIS戦闘員ら=ロイター

また、難民問題でも弱みを握るヨーロッパへの脅しとも取れる。これ以上難民を引き止めて欲しければ、もっと「トルコに対する援助」が必要だというわけだ。

トルコ、エルドアン大統領の「脅迫外交」はどうやら、まだ続くようだ。

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