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【 イランの苦境 日本は世界で役割を果たせるか?】English follows after Japanese

2019/08/02

安倍総理のイラン訪問中に起きたホルムズ海峡での2隻のタンカーへの攻撃。フィリピン人の船員は UAEに救助されたが、日本へ向かうメタノールを積んだタンカーは、現在オマーン湾で漂流している。
日本が輸入する原油の8割以上がこのホルムズ海峡を通る。しかし、安倍総理会談中にアメリカは、イランへの追加制裁も行なった。 この状況をどう読むか?

13日、ホルムズ海峡付近で攻撃を受けて火災を起こし、オマーン湾で煙を上げるタンカー(AP)

アメリカのポンペイオ国務長官は「イランに責任がある」と主張したが、まだ、真相はわからない。
トップが融和に転じることをけん制したイランの強硬派が、勝手に攻撃した可能性もある。
しかし、中東では「イラン封じ込め」を狙うサウジアラビアや UAEが、イエメンで戦う自国の影響力の元にある勢力を使って、「攻撃を偽装」。という可能性も現時点では捨てきれない。

また、ハメネイ師の「日本とは話しあえるが、アメリカのトランプとは決して話はしない」という国内へのビデオ発言をもって、「会談は不成功」とする日本の識者もいるが、これもそのままには受け取れない。

これまで強硬的姿勢を打ち出したハメネイ師は、国民に向けて強い指導者としてポーズを取らなければならない。国内強硬派への配慮も必要だ。
しかし、カメラが部屋を出た後、何が本当に話し合われたかは、数十年後外交文書が明らかになるまで本当にはわからない。

イランの首都テヘランで会談に臨む最高指導者アリ・ハメネイ師(右)と安倍晋三首相。イラン最高指導者事務所提供(2019年6月13日撮影)。(c)AFP PHOTO / HO / KHAMENEI.IR

 

日本から一歩出て世界を眺めると、外交の場はいかに様々な国々の思惑が交差する伏魔殿か、わかると思う。いずれにしろこの事件を受けて原油価格は約4%急騰した。

しかし、イラン側がロウハニ大統領だけでなくハメネイ最高指導者が安倍総理と会談したことには、大きな意味がある。ハメネイ師が外国の指導者と会うのは極めて稀だ。会談自体が、「日本を介し、対話を続ける」というメッセージだ。

これは、現在いかにイランが苦境にあるかを物語る。

最大の要因はアメリカの原油や鉄・アルミニウム輸出への経済制裁だ。しかし、そのほかに大きな経済的困難に直面している。

イランでは、春に洪水が起こり大きな被害を出したが、実はこの数十年、国土の40%以上で、旱魃が続く。作物ができず、農民は畑を捨てて都市に移り住む。しかし、そこにも仕事はない。

経済制裁で通貨リアルは、50%下落し、物価は急上昇。値上がりを見込んで買い占める業者もいれば、一方で、政府は統制で価格を抑えようとする。

イラン料理には玉ねぎが欠かせないが、玉ねぎの価格も買占めで5倍になったかと思うと政府の操作で半値になったりする。といって安心していると、翌日には市場から商品が消えてしまうなど、庶民の生活は不安と苛立ちに満ちている。

今後の明るい展望が開けなければ、「不満」や「怒り」を抱く国民が都市に密集する、という非常に不安定な事態が続く。

大量に運び出される玉ねぎ。イラン料理には欠かせない。(REUTERS)

 

シリアやイラクに勢力を伸ばしていたイランだが、4月頃から、イランの支援を受け活動していたアフガン兵が、アフガニスタンに戻る動きが確認され、イランと密接につながり、両国でイランの勢力を伸ばすことに貢献していたレバノンのシーア派過激組織「ヒズボラ」への援助も細っている。

アメリカの経済制裁と、旱魃の影響は様々な面でイランを縛る。

制裁で、5月以降、イランからの原油輸出は、1日あたり約23万バレルに減少。国家予算で見込む日量150万バレルには程遠い。
英独仏が、「核合意」にとどまらせるためドルを使わず取引できる「インステックス」という特別目的事業体を作ったが、実質的にはほとんど稼働していない。イタリアもギリシャも輸入を止めた。

原油以外を扱う企業も、アメリカの制裁に引っかかることを恐れて及び腰だ。

「制裁後もイラン原油を買い続ける」と豪語していたトルコですら、前年50%以上を占めていたイランからの原油輸入を直近のデータで17%まで減らした。

イランのタンカーは行き先を隠し、いくつかの国に原油を運び込んでいるとみられるが、その一つは中国の大連にある備蓄施設だ。これらは他の原油とブレンドして他の国に転売される可能性もある。

 

しかし、このような状況下、先日ホルムズ海峡で起きたサウジ、 UAEなどのタンカー攻撃に「イランが関わっていた」とイスラエルとUAEの諜報機関、アメリカが結論を出した。

攻撃を受け、UAE沖のフジャイラ港に停泊したタンカー Satish Kumar-REUTERS

 

国内に強硬派がいることは確かだ。だが、しかし、経済が危機的状況で、国民の不満が溜まる中、イランがアメリカとの本格的な武力紛争を望んでいるとは考えにくい。

カタールも両国の仲介に動いていたが、成果は上がっていない。
カタールはイランに近すぎ、アメリカへの影響力は大きくはない。かえって、サウジやUAEが反発する可能性が高い。

しかし、中東で、「歴史的負債」を追っていない日本だからこそできる世界への貢献がある。

先日アメリカとの緊張が高まった際、ザリフ外相が日本を急遽訪れ、安倍総理も日程調整して会ったことには大きな意味があるだろう。
イランの本音は、「面子を潰さず、しかし、アメリカとの戦争は避けたい」だ。

イランとは90年、良好な関係を保ってきた日本が、中東でイラン、アメリカ両政府の橋渡しの役目を果たせることを切に望む。

会談を前に握手を交わすイランのザリフ外相(左)と安倍晋三首相=2019年5月16日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

 

日々、緊張の高まりが感じられるが、「憶測」や「誤解」の可能性は残る。
一番怖いのは、互いが拳を振り上げた状態の中、偶初的な事故が引き金になって紛争がエスカレートすることだ。

日本が、「さらに明確な証拠の提示がなければ納得できない」としていることは正しい。

双方に影響力を持つ誰かが、「暴走」を抑止しなければならない。

世界の経済の血液ともなっている原油供給に乱れが生じれば、供給する側にも、供給を受ける側にも決して影響は小さくない。

ホルムズ海峡は日本が輸入する原油の約8割が通過する要衝だ。これは、日本自身の問題でもある。

【追記(6月19日)】

目に見えるものが、そのまま「真実」を伝えているとは限らないのです。

2017年、突然サウジアラビアやUAE、バーレーン、エジプトなどが「カタール断交」を行いました。国境性を封鎖し、自国の領空からもカタールの飛行機を締め出しました。

陸では全ての国境線をサウジに取り囲まれているカタールにとっては、食料の輸入もできなくなるのではと一時パニックに陥るほどの大事件でした。

結局、トルコとイランが緊急に食料を空輸しカタールの人々は飢えることはありませんでしたが、その理由は、第一には「カタールがテロ組織、ムスレム同胞団などを支援している、ということ。そしてもう一つはイランとの関係が近すぎる、ということでした。

同じスンニ派で、湾岸協力機構(GCC)のメンバーであるカタールにこれほどのことをするほど、「イランへの憎悪」を持っている国々がある、ということは押さえておくべきです。

つまり、どんなことをしてもイランとアメリカの対立関係を持続させたいグループもある、ということを抑えて事態の展開を慎重に見ていかなければなりません。

今回の事件は、もちろんイランの革命防衛隊の一部が起こした可能性もありますが、他の「融和」を望まない勢力が起こした可能性もあるのです。

結論を早まってはいけません。

【 Can Japan play a meditator? Iran, suffering from Economic Crisis 】

Two tankers were attacked near the Strait of Hormuz, while PM Abe talking with Ayatollah Khamenei. Although 21 Philippines saved and in UAE, the tanker with cargo to Japan is still drifting near Oman.

The Us added the sanction against Iran during the visit of Abe.

How should we analyze this situation?

13日、ホルムズ海峡付近で攻撃を受けて火災を起こし、オマーン湾で煙を上げるタンカー(AP)

The Secretary accused Iran is behind of the attack.
However, we don’t know who really are responsible.

Some hardliner in Iran might plan the attack.
Or someone who want to make Iran isolated might have planned it.

Ayatollah Khamenei told in the video, he would not talk with the US.
Some Japanese analyst told the meeting was unsuccessful because of this comment.

I doubt about it.
Khamenei kept hardliner’s image in Iran and he needed to make the pose as the strong leader to the people and he needed consider the reaction of the hardliners who support him.
But nobody knows what happened in the whole meeting after the camera was out.
The diplomatic meetings are difficult to judge at the point from outside.

イランの首都テヘランで会談に臨む最高指導者アリ・ハメネイ師(右)と安倍晋三首相。イラン最高指導者事務所提供(2019年6月13日撮影)。(c)AFP PHOTO / HO / KHAMENEI.IR

The thing we should know id the world out of Japan is the place where many countries try to materialize their own interests with cold calculations.
The price of the crud oil surged by 4 % after the attack.

I want to explain the situation Iran is facing now.
Ayatollah Khamenei, who is famous for not seeing many foreign leaders. This already tells us how big crisis Iran is facing.

The biggest cause is the economic sanction of the US to ban the export its crud oil, steel and aluminum.
However, Iran has been suffering from severe drought for decades, although it suffered by the floods in the Spring. It has damaged almost 40% of its land. Many farmers left their fields and went to cities, where many of them could find no available jobs.

The Iranian currency dropped about 50 % and prices od commodity surged. Some wholesalers buyout things for the benefit. The government tries to keep the prices low.
The price of onions, which is crucial in Iranian meal goes up to 5 times, come down to the half, but nobody knows when they banish from shops.
These incidents frustrated citizens and irritation surges. If the government cannot change these situations, the social unrest could burst with many people gathered in cities with anger.

REUTERS

Although Iran had increased its influence in Syria and Iraq, there have been some reports, which shows the economic capability of Iran to pay for some Afghan soldiers in those countries and reduced the support to Hezbollah from Lebanon.
The American sanctions are hurting Iranian Economy and we can see the results in many aspects.

The export of crude oil of Iran dropped to 230,000 barrel a day.
The SPV is not working. Italy, Greece stopped buying oil from Iran.

The economy in Iran is in such a difficulty.
Iran is not wanting the war with the US.

Qatar has been trying to mediate two countries.

会談を前に握手を交わすイランのザリフ外相(左)と安倍晋三首相=2019年5月16日午前、首相官邸 写真提供:産経新聞社

However, Japan has advantages. We can talk with the US and Iran after long good relations.
The Japanese government should continue the effort to mediate as the one who has no bad history in the Middle East.

Because the real intention of Iran is, “Although we want to save the face, we want to avoid the war against the US.”
Can’t we help that?

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