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世界の今と日本

【 軍用機で行く — ザコパネ紀行 】

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ポーランド外務省が外交団のためにアレンジしてくれた「ザコパネ視察旅行」に参加。

今回の視察旅行の目玉はなんといってもポーランド空軍の軍用機に乗れたこと!

 

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大使といえども、軍用機に乗れる機会は滅多にない。

 

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シートがあったのに逆に驚いたが、兵士たちを運び時には、このシートは撤去され、代わりに側面についている金属バイプと赤いプラスチックのメッシュでなるベンチが開き、天井の中央を走るワイヤーが、パラシュート部隊によって使用されるのだろう。

 

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シートにはこんなマークが。

 

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この機を使用する部隊のマークなのかな?

さすがにぱっくりと口を開けた軍用機の後部から乗って、飛び立つ前に後部がせり上がって閉じていくのはなかなか、迫力!!

 

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普段、車で行けば4時間はかかるクラコフまで、たった1時間。

荷物は自分で持ってバスに乗り込むので、飛行場でのロス・タイムはほとんどゼロ。軍用機って便利!!

2台のバスは、パトカーに先導される。県境を越えるとさりげなく、パトカーが変わるのが面白い。

やはり、ポーランドでも警察は「県単位」で動くらしい。

 

ザコパネは、ポーランドの最南部、スロバキアとの国境地帯に広がる山間部だ。

ポーランドは国名の語源が、「ポール(平原)」と言うくらいだから、ほとんどの地は、ひたすら平原が広がる。

 

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農業などには良いが、他国からの侵略を防ぐ、と言う点からは、非常に「守りにくい地」だと言える。

ドイツから、ソ連から、戦車隊が突入してくるものを阻むものは何もないのだから。

 

ザコパネの山岳地帯は雪が多いため急な傾斜の屋根を持つ家々が特徴的。

雰囲気はどれも「山小屋風」。

 

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ザコパネは、ポーランドで最も人気のある観光地。

ザコパネ市庁舎で受けた説明では、ハイシーズンには一日に10万人、年間では300万人の観光客が訪れるという。

冬はスキー客でいっぱいになる。

なんとジャンプ台もあって、日本の葛西選手も、今年、この地を訪れた。

ポーランドにおけるスキー発祥の地で、150年近い歴史がある。

 

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温泉もあり、スパも多い。(さすがに今は、シーズンは終わり、ゲレンデにもほんのわずかな雪しか残っていないけれど・・・)

 

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教会を訪れると、木彫りのキリスト像と祭壇。

この地方では特に、木を使ったレリーフや彫像が多い。

 

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面白いのは、教会の宗教画にすらこの地方の特徴が出ていること。

エルサレムで見た天井画や壁絵は「荒地でキリストが説教する図」だった。

エルサレムはまさに荒れ野ばかりだったから。

 

でも、この地では、「山や野の花に囲まれた地で、山を背景に、聖人が説教する図」になる。

なるほど、宗教画すら、周りの環境に合わせて描かれる、というわけだ。

 

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夜は市長の招待で、ザコパネ料理を満喫。

 

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夜、街を歩くと雪に頂上を覆われた山々が美しい。

ポーランドでこんな景色は滅多に見られない。

 

翌日、馬車に乗って、山間の道を1時間ほど走る。

外交団全員だから、馬車も十数台が連なる。なかなか壮観。

 

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寒いので、膝の上には毛皮のシートをかける。「毛皮」と言っても日本人が考えるような高級品ではない。

雪深い土地で、夜、馬が凍えないように背中にかけてやる、そんな、実用的なものである。

結構な年代物・・・だった。

 

それでも、足元は暖かい。

ポーランドの山間部で、人々が移動する時には、何百年もの間、こんな風にして寒さをしのいできたのだろう。

山を見ながら、木々の間を走る。山々を見慣れてきた日本人には、ほっとして、森林の空気を吸い込み、故郷を思う一瞬でもある。

 

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タトラ山地は2000メートル級の山が連なる。

 

マイナス40度まで平気、と言われたダウンは、さすがに暖かい!

 

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空気が冷たい。

山々に残る雪が清々しい。

そして、今度は、ポーランドの有名シェフによる「生クリームにスモークの風味を加えるレッスン付き」の夕食。

 

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(絶対に自分でやるとは思えないので、私は写真係に専念。)

 

キャロル・オクラサは、テレビ番組を持つポーランドの人気シェフ。(  Mr. Karol  Okrasa )

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外交官の仕事には、様々なことがある。

政府高官にあって機微な情報を収集することも、「日本が考える」ビジョンを政治家に会って伝えることも、日本企業がこの国で活動しやすくするように、陰に日向に援助していくことも、日本文化を広め、日本のソフトパワーを拡大していくことも、あらゆることが含まれる。

 

そして、この夜のことも。

 

一緒に食事し、お酒を飲んで、日本大使・日本大使夫人と手を繋いで、輪になって一緒に踊った・・・。

その記憶が、多くの国の大使に共有される。

多分、それもまた、大事な一歩なのだと思う。

 

もちろん、この地方の上院議員も参加。

 

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偶然にも、中国大使夫妻、韓国大使夫妻、フィリピン大使、スリランカ大使、日本大使が一緒のテーブルになって、まるで「アジアン・テーブル」。

 

ウオッカ教会会長も参加してらして、ポーランド自慢のウオッカがふんだんに提供された。

「ポーランドのウオッカは世界一!」と胸を張るウオッカ協会会長。

 

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「世界一のウオッカ」のおかげで、かなり酔った韓国大使に促されて、テーブルの皆が、何回もグラスをあげる!

「平和のために、乾杯!」と韓国大使が言うと、すかさず、フィリピン大使が、

「南シナ海の平和のために!!」と付け加えた。       オー・マイ・ゴッド!!😵

 

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度肝を抜かれて、凍ってしまった私をよそに、良い気分に酔っ払った韓国大使とフィリピン大使が笑い転げて、事なきを得た。

中国大使は一体どんな顔をしていたのだろう。。。席が、横並びだったので表情は見えなかった。

穏やかな方だから、きっといつも通り、にこやかに笑ってらしたかもしれない、と思う。

 

う〜ん、こんなに微妙なことをさらりとジョークにしてしまうとは。。。

この術を見習わなくては。。。

下の写真のメガネの女性がフィリピン大使。

こんな発言をするかと思うと、夕食が終わってから、「ミュージシャンたちのために・・・」とチップを集める気遣いも見せる。人間って本当に多面的なのだ。。。一面だけを見ていたら、見誤る。

 

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ポーランドの名物料理、パンの中に仕込んだズーレックというスープ。中のパンの部分を溶かしながらいただく。キノコの風味で、まったりとして、とっても美味しい!!思わず顔がほころぶ。ポーランドに来る機会があったら、ぜひ試してほしい。

 

ハイランダー(山岳民族)と呼ばれるこの地の男性が履いているタイツのようなズボンはなかなかチャーミング。

そういえば、馬車の御者も同じようなズボンを着ていた。

 

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そして、地方色豊かな民族衣装に身を包んだ可愛らしい女性たち。

 

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長い夜は更けて、ポーランド外務省の儀典長ともすっかり打ち解けた。

普段とてもシックな彼女が、最初に踊り出す。

お相手は、外交副団長のモルドヴァ大使。

 

外交団長は、普通その国に一番古くから赴任している大使が務める。国の大きさは関係ない。

そんなルールができたのは中世ヨーロッパ。そのころは、どの国が、どの国より上に立つかで、戦争にもなりかけた。

だから、誰もが納得できるルールが、外交官社会には確立されている。

ポーランドはキリスト教国を前面に打ち出しているため、正式な外交団長は、バチカン市国からの大使。

ちなみにアジアのディーン(団長)はもう4年も同じ方が大使を務めている中国。南アメリカはコロンビア。

 

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実は、TBS時代、「お酒を飲んでカラオケする」会は大嫌いだった。

最初の数年は訳も分からず、呼び出されて、大先輩方にウイスキーの水割りを作ることを(ほぼ、)強要され、

「私は一体、何のためにこの会社に入ったのだろう???」と思っていた。

だから、後半はほとんど、参加しなかった。

多分、多くの先輩たちは、私を「付き合いの悪いやつ」と思っていただろう。。。

 

しかし、この日は、酔った人たちに混じって、踊った。

(ウオッカを飲めない私は、完全にシラフだったけど・・・)

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とりあえず、今日抱えている問題をほんの少しの時間よそにおいて、一緒に手を繋いで踊る。

そういう瞬間が、多分、他の国の人たちと「裸になってお付き合いする」のに大事なことなのだろうと思う。

手前のパープルのジャケットが韓国大使で、赤いジャケットの方が韓国大使夫人。私の後ろに見える、奥の背の高い方が中国大使。その右側にはオランダ大使夫人。左側は、スリランカ大使夫人。

 

一夜明けて、出発の日。

 

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真っ青な青空、久しぶりに見た。

 

思いっきり、深呼吸!!

 

帰りも軍用機。
色々な国の大使ご夫妻との距離がうんと近くなった気がする。

 

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ワルシャワで正式なお付き合いをするだけではなく、

たまには、こんな企画に参加するのも、「また、善きかな」。。。

 

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企画してくれたポーランド外務省の儀典長イレーナに感謝です!!

 

 

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